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第12回定期演奏会 特別インタビュー


東京セラフィックオーケストラの第12回定期演奏会(2017年1月21日)に向けて、指揮者の横島勝人先生と、ヴァイオリンコンチェルトのソリストの加藤えりなさんに、それぞれインタビューさせていただきました。


横島先生
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【最近の東京セラフィックオーケストラについて】
――先生に私たちのオーケストラの指揮を2010年からお引き受け頂いてもう6年がたちました。お引き受け頂いた時のお話しはホームページのインタビューに載っておりますが、その時と比べて、何か変わったでしょうか。

横島先生:毎回練習を通じて、出来るだけ高い音楽的なイメージをお渡しすることによって、参加しているみんなのモチベーションも上がってきていると思います。そういう点で、皆さんのリハーサルへの準備・音楽性を含めてずいぶん変わったと思います。
気持ちもそうですし、オーケストラとしての準備も、計画性も高まっているかと思います。僕もできるだけ、より高い音楽性を要求するように心がけています。

――団員も、以前に比べて音楽的なインスピレーションを感じられるようになったと思います。

横島先生:本番へ向けて、一回目に合奏するとみなさんのモチベーションを感じられます。それに対してこちらも「これくらいのことを言おう」とか「こういうことを言っておこう」を考えています。そして、頂いている時間の中でどうやってオーケストラを目覚めさせるかというところは、いつも気にしています。
ようやく人が増えてきて、いい意味で刺激もだんだん増えてきています。昔はバーッと通してみて「よかったですね」というところから、もう一歩踏み込んだ練習ができるようになってきたということは、つまり皆さんの準備が変わってきたということです。そういった意味では、本当のアマチュアオーケストラになっています。そういう点をこちらも歓迎します。逆に言うと、それくらい東京セラフィックオーケストラが変わってきたということです。ただ集まって演奏をしようではなく、より良い演奏をしようと変わってきつつあります。良くなってきていると思います。

【今回の演奏会について】
◆ブラームス:交響曲第4番/大学祝典序曲

――先生は今回のメインプログラムであるブラームスの交響曲第4番を最初に演奏されたのはいつですか?

横島先生:僕は学生の時にホルンで吹きました。 指揮者としてヨーロッパに行った時には、カルロス・クライバーを聞きに行ったりもしました。そういう点では、ブラームスの一連の4つの交響曲の中で、第4番には思い出がありますね。どの曲にも思い出はありますが、交響曲第4番は、ブラームスのなかではとびぬけていい曲だと思います。ほかに太刀打ちできないくらい深い、いい曲です。第1番や第2番と、第3番や第4番とでは全然違いますね。第4番はブラームスが書きたかった曲だと思います。ちゃんと考えられて構成され、それでいて彼の良さが含まれています。隙がない名曲だと思います。

――先生が、特に思い入れがあるのはどの楽章ですか。

横島先生:2楽章です。1楽章よりも2楽章のほうがよくかけていますし、4楽章もいいけれど、完成度からすると2楽章が1番いいです。隙間がなくて、物凄くよくできています。

――懐古主義的ではないかという声もあるようですね。

横島先生:彼の考え方からすると、一生懸命昔の音楽に戻そうとしています。2楽章にしても教会音階(教会音階:ミ-ファ-ソ-ラ-シ-ド-レ-ミから成る中世時代の古い音階)を使っています。本当の音楽の良さを、彼は何とか自分の技術を使って「昔はよかったよ」というアピールをしているのが僕は4番だと思います。

――大学祝典序曲についてはいかがでしょうか。

横島先生:大学祝典序曲は、ブラームスの書いたなかでも明るい曲じゃないですか。非常に充実した時に書いているし、響きの完成度は十分です。ハイドンバリエーションもそうですし、悲劇的序曲もそうですが、僕はブラームスを演奏するのは、あの辺が一番演奏しやすいものだと思います。
しかし、演奏するには、響きの厚さがそんなにありませんから、悲劇的序曲よりも難しいと思います。その分技術が必要です。やはり、悲劇的序曲のほうが構成的にもそこまでじゃないけれど、オーケストラとしての負担はたぶんこちらのほうがあります。作品的にも難しいと思います。

――トロンボーンのパート練では、大学祝典序曲のほうが不協和音などを含めた響き、和音づくりなどの面で難しいと感じました。

横島先生:トランペットも難しいですしね。金管だけのハーモニーも難しいです。

◆メンデルスゾーン:ヴァイオリンコンチェルト

――メンデルスゾーンのヴァイオリンコンチェルトも、いろんな媒体からながれてくる曲ですね。

横島先生:メンデルスゾーンという作曲家は、すごい才能の持ち主だと思います。音楽的にも。短命でしたが、人を惹きつける何かを彼は持っていました。
チャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルトも有名ですし、その他のいろいろなヴァイオリンコンチェルトもありますが、メンデルスゾーンは褪せないというか、すごくいい曲です。響きが薄いのにいい音がします。みんながワーッと弾かないといけないところは多くはないですが、やはりメンデルスゾーンの難しさはあります。すごく難しい曲だと思います。曲そのものは、1楽章も2楽章も3楽章もみんな素晴らしいメロディーで、良い曲なのでみんなやりたがる曲の一つだと思います。

――こじゃれた感じと技術的に難しい感じが合体しているように聞こえます。

横島先生:だから結構名演にならないのです。説得力がないといいますか、それはそれで曲のせいもあれば、オーケストラのせいもあります。お互いのせいもあります。しかし、ヴァイオリニストとしてはレパートリーですから、ソリストはあれを弾けないと話になりません。当然、オーケストラも名人じゃないといけないですし。だからそういう点では、メンデルスゾーンはなかなか手強く、思ったより難しい曲だと思っています。

【今後について】
――先生が前回のインタビューで言われていた、いわゆるベートーヴェンやブラームスは大体制覇しつつあるのですが、次はどんなものを演奏していくべきと思われますか。

横島先生:やはり古典は、プログラムに必ず一曲は入れます。今は全部が古典ですが、それを今度は新しい響き、例えば、リヒャルト・シュトラウス、ラベルなどです。そういうものも入れていくとプログラムが映えるかもしれませんね。僕はそういうのがあってもいいと思います。ある程度引き出しがあってもいいかな、と。10年くらい、ベートーヴェンやモーツァルトをやっているとなると、あとは、モーツァルトなりハイドンなり、ベートーヴェン、シューベルトなどそういうものは必ず課題で入れます。コンチェルトでも何でもいいです。それにプラスして、ロマンティックなものにもチャレンジしていくオーケストラになればいいんじゃないでしょうか。

――実は前回のサマーコンサートでのモーツァルトは非常に評判が高かったのです。モーツァルトが聞きたくて来たという人も多かったです。

横島先生:なかなかアマチュアではやらないですからね。

――そういう意味でいうと、オーケストラのニーズは聴く人弾く人で違いますが、古典というのはベーシックな一つの商品かもしれませんね。

横島先生:やはり、クラシックを聞く人は、基本的に古典好きですから。

――基本ですね。そこを一曲やるのが大事なのかなと思います。(聞き手は管楽器なので)管楽器を演奏しているとロマン派以降に寄ってくるのですが、それは少し違うのだろうなと思いました。

横島先生:結局、クラシックファンの人たちは、知っているものを生で聞きたいのです。プロフェッショナルの仕事は新しいものを紹介するけど、やはりオーソドックスなものを聞きたいというのは基本です。
そこのところは、このオーケストラの特色もあってもいいと思いますし、きちんと基礎を固める。例えば、アンサンブルをちゃんとやるとか、音量をきちっとするとかです。リヒャルト・シュトラウスになると、こっちはフォルテでこっちはピアノと書かれているから、一人一人の技術に責任があります。
しかし、古典というのは何がいいかといいますと、テンポ感も全員が共有する、バランスもみんなが共有する、そういう本当の音楽です。ピアノでいうとバイエルとかソナチネとか、ああいうのをきちっとできないとショパン弾いたりできないですよね。そこのところにいつも戻って、数曲でも一曲でもやるという姿勢で取り組んでいるほうが、安定するといいますか、響きもよくなります。

――今、初級オケから抜け出しているときかもしれないですね。

横島先生:そうですね。僕もみなさんとやり始めて何年か経ちました。初級オケというよりは、自分たちで何かしようという傾向にあります。自主性といいますか。以前は手取り足取りしてもらわないとできなかったかもしれないですが、今は最初に僕が振るときも、みなさんのテンションもずいぶん上がってきました。最初の頃と比べると、テンションはもちろん、演奏技術も全然違ってきていると思います。

――次回もいい演奏会になりますように、どうぞよろしくお願いします。





加藤えりなさん
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【これまでの演奏歴など】
――今回は客演いただきありがとうございます。団員一同、リハーサルをご一緒させて頂き、演奏の素晴らしさにうっとりしています。演奏についてお伺いする前に、これまでの演奏歴などを教えていただけないでしょうか。

加藤さん:生まれは東京、福岡県北九州市で育ちました。父の影響で、ヴァイオリンは5歳から始めました。父は大学のオーケストラ部でヴァイオリンを弾き、音楽に目覚めました。アマチュアですが「子供と一緒に家で弾きたい」と思ったようです。音楽家になることを意識したのは小学校高学年位です。通っていたお教室が音楽的に意識の高いところだったので、同学年位の周りの生徒さんと一緒に頑張っていたら気がつくと演奏家になっていました。

――好きな作曲家、曲は何ですか?

加藤さん:ロマン派の曲が好きです。特にブラームスが好きで、今回セラオケで演奏されるブラームスの交響曲第4番も大好きです。チャイコフスキーの悲愴、メンデルスゾーンのスコットランドも良いですね。ロマン派の豊かな和声感と美しい旋律にゾクゾクさせられます。今回演奏する、シンプルな中に情感溢れるメンデルスゾーンの協奏曲も、大好きなレパートリーの一つです。

――留学もされているとお伺いしております。そのときのエピソードなどはございますか?

加藤さん:イヴリー・ギトリス氏に師事しました。CDを聞いてファンになり、小6の時、彼のリサイタルを、その時に住んでいた九州から東京まで聴きに行き、花束を渡したことがきっかけで留学に至りました。ギトリス先生は、音楽の本質、身体の使い方、フレーズ感、時間の使い方などを重点的に教えて下さいました。

【メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲について】

――最初に演奏されたのはいつ頃ですか?

加藤さん:初めて弾いたのは、確か小学校2年生の時だと覚えてます。その後数年おきに弾いていますが、同じ曲でも新しくトライする度に、新たな世界が見えてきます。
自分のイメージやアイデアも年齢と共に少しずつ変わりますし、共演者や会場の響きからもインスピレーションを受けるので、いつも本番が楽しみです。以前の自分よりは精度を上げたい、という欲求は常にあるので、練習を始める際は前回納得のいかなかった箇所から取り組んでいます。
この曲には、古典的なスタイルの中に隠れた内省的な情熱に魅力を感じます。シンプルさを超えずに、かつ情感豊かに表現出来ればと思います。

――当団についてはどう感じられました?

加藤さん:第一印象は「団員の皆さんがお若い!」と思いました。 ヴァイオリン協奏曲では、オーケストラが伴奏に回る部分でかなり音量を落とさなくてはならず、その加減が難しいと思うのですが、初回のリハーサルからそこに気を配って下さっていたことが嬉しかったです。
今回、横島先生と東京セラフィックオーケストラさんとの共演の機会を頂きましたこと、とても嬉しく思っております。本番を楽しみにしています!

――お忙しい中、ありがとうございます。どうかよろしくお願いします。

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